サントリーミュージアム[天保山]ポスター天国展 [アート]
明日13日から開催される「ポスター天国展」。遂に、サントリーミュージアムとしての最後の展覧会を迎える事になります。休館発表から1年半…あっという間でしたが、充実した期間だったと思います。今後、大阪市がいつ、どのような形の美術館をリレースタートさせるかはわかりません。が、人員は総入れ替え、コンセプトも変わる事で、見た目が同じだけの別の美術館へと変貌（というか退化）するのは避けられません。取り壊しよりは良い事ですが…。
さて、という事で先日開催された内覧会の様子を通じ、内容をお伝えしましょう。ポスター天国展は、サントリーミュージアムが所蔵するポスターの多くに加え、これまで開催された美術展のポスターも展示される合計400点の豪華な内容となっています。まさに、サントリーミュージアム16年の歴史を体現する展示会という訳です。ただ、「なんだ、原画じゃなくポスターか」と思われる方も居られるでしょう。しかし、ポスターと一口にいっても、展示されているものは時代の幅がある為、リトグラフからオフセット印刷まで様々です。中には世界で30枚しか現存しないものもあり、侮ってはなりません。
左端の赤色垂れ幕が、明日朝には掲げられている事でしょう。
今回は、入場券の必要なギャラリーだけではスペースが足りず、最後のサービスという事もあってか館内スペースにもところ狭しとポスターが貼られたり、吊られたりして来館者の目を楽しませてくれます。無料でも楽しめますので、機会があれば是非行ってみてください。もちろん、入場料を払ってギャラリーもご覧になられる事をお勧めします（より貴重でアーティスティックなポスターが出迎えてくれます）。
入り口ロビーエリアには、過去展覧会のポスターを中心に展示。
同エリア。首が疲れます^^;
ギャラリーショップ横壁面。
ギャラリーショップ反対側壁面。なお、この隣の部屋には貴重な国内ポスターが多く展示されています。
エスカレーター降り口からエレベーター前、男女トイレエリア近く、果ては写真奥裏側の公衆電話付近まで…！
このように、館内だけでも相当数のポスターが展示されています。美術館のコンセプトは色々ありますが、やはり観るものが楽しいと感じるような内容が継続の基本になる事でしょう。そういう意味で、今回は特にワクワク出来る素晴らしい展覧会になっているかと思います。
なお、プレス以外の撮影は不可でしたので紹介は出来ませんが、ギャラリーのほうはヒジョ～に！力が入っています。レイアウト・カラーなど総力結集の展示会です。ギャラリー内はテーマ毎に3エリアに区切られ、理路整然とポスターが並べられています。詳細は割愛しますが、英雄ミュシャ、クリムトらからロートレックからカッサンドルのようなポスターの雄、サビニャック、ディック・ブルーナ、（憧れの）ピーター・マックス等など目白押しです（→所蔵作品は大阪市に寄託されますが、果たして価値をわかってもらえるのか、また、きちんと展示してくれるのかめちゃくちゃ心配です）。
惜しむらくは、今回図録が用意されていない事。推測ですが、閉館する美術館に対して財政出動は抑えられるもの。許可が出なかったのだと思います。美術館は元々、商業ペースに載せるのが難しい事業です。図録も、安価に利用者へ提供されるのが趣旨であり、殆ど利益は出ない類のものです。故に、最終展覧会とはいえ制作されなかったのだと思われますが、これだけの素晴らしいポスターの数々、図録になればどれだけ良かったか…（その代わり、といっては何ですが、16年間の記念小冊子等は作られるようです）。
最後に、ひとつ。サントリーミュージアムには「夕陽の見えるホール」があります。大阪港は昔から夕陽を観る名所であったのですが、このホールは来館者の注目を浴びてきました。そして、今回の展示会ではホールの一部にも壁面を設けてポスターを展示していますので、通常、ホール最後部にあるソファーはかなり前に移動され、より大阪港の夕陽を堪能できるようになっています。これはおすすめですので、是非夕方に出掛けてみてください。
実際にホールから撮影した写真。
今回、館内でアナウンスが流れたのですが、レセプション（開会記念式典～パーティー）には出席しませんでした。政財界やサントリーの偉いさんが出席される場に、高い社会的地位や名声を持つ訳ではない私が参加するのは不釣合いです。それはさておき、今回は10回を目標に出掛けるとしましょうか（本当は、入手した情報でもっと書きたいことがあるのですが、今は時期的に書けません。また機会があれば…）
会期：2010年11月13日（土）～12月26日（日）
サントリーミュージアム[天保山]
http://www.suntory.co.jp/culture/smt/
とうとう最後の展示になってしまったんですね(>_<)/
安藤さんの建築が好きなのでこの建物もすごく好きですし、
ここから見える景色もすごく好きなんです♪
とりあえず建物は残るみたいでよかったですが、
どうなるか楽しみというよりちょっと心配ですよね^^;
ポスター天国展、機会があったら行ってみたいです^^
by とみっち (2010-11-13 00:19)
>とみっちさん
ようこそお越し頂きましてありがとうございます。安藤さんの建築物がお好きなんですね。建築作品もさることながら、偉大になった現在も大阪を拠点に活動する点が支持されているように思います。まあ、築15年やそこらでもし取り壊しなんて事になったら、安藤さんが許しませんからね、絶対^^;
ポスター天国展は入場料も出血サービスのワンコイン（500円）です。11月は月曜定休ですが、12月は26日の最終日まで休みなしで開催されていますので、是非足を運んでみてください。
どうせなら、ポーランドの至宝展のように朝早くから開けて欲しいものですが（入場者がそれほど見込めないのでしょうけど…）
by nori (2010-11-13 13:33)